第18・19回 「86-エイティシックスーラン・スルー・ザ・バトルフロント」「エンドロールバック」
今回は二作品同士に紹介&批評していきたいと思います。
「86-エイティシックスーラン・スルー・ザ・バトルフロント」
原作:安里アサト(株式会社KADOKAWA/電撃文庫)
キャラクターデザイン:しらび
作画:山崎博也
メカニックデザイン:I-IV
ストーリー構成:★★★✩✩ キャラクター個性:★★✩✩✩
引き込まれる感:★★✩✩✩ 作画:★★★★✩
主人公シンエイ・ノウゼンは”エイティシックス”と呼ばれる、かつてサンマグノリア共和国に住んでいた有色種の人間として、自動殺戮兵器である”レギオン”と戦うことを強制されていた。多くの犠牲者が出る中生き残った主人公シンは、共和国を捨て隣に位置する国へ行き、再びレギオンと戦っていた。
前回と同様、原作が小説ということもあり、世界観はしっかりと作りこまれているという印象を受けた。しかし、物語は小説を読了済みの人向けとなっており、物語の説明無しで始まったため、いきなり未開の地に突っ込まれた感が否めなかった。
小説では文字で補っていた部分を絵で表現するというのは簡単ではないだろう。しかも今回は機械がベースとなっているため余計にハードルは上がる。しかしそういったことを抜きにしても、あまりに説明がなされていないがために折角の作りこんだ世界観を台無しにしてしまっていたのが本当に残念であった。
原作通りに漫画を進めるのは無理があると分かっているのであれば、コミカライズに合わせて脚本を書き直して頂くなどの工夫を行った方が良いと感じた。それが無理なのであれば世界観の説明回を設けるなどして、読者により物語を理解してもらうなどしてほしかった。
「エンドロールバック」
原作:貫徹
作画:中里はるな
ジャンル:サスペンス推理
ストーリー構成:★★✩✩✩ キャラクターの個性:★✩✩✩✩
引き込まれる感:✩✩✩✩✩ 作画:★★★✩✩
サラリーマンとして働いていた主人公‟間宮朝春”は、自殺によって突然この世を去った妹の死によって失意に暮れていた。
そんななか、彼の目の前に現れた”謎の天使”に「犯人を殺せば妹を生き返らせてやる」と告げられた朝春は、犯人に復讐をし妹を生き返らせることを決意する。
三話ほど読んでみたが、あまり面白いとは言えなかった。その理由としてまず、主人公の行動があげられる。後先考えず、突発的な行動が多いため、主人公に魅力を感じることが出来ず感情移入することが出来なかった。
また、犯人ではない人を誤って殺すと寿命が10年縮むそうだがこれは長すぎる。平均寿命が80だとして教師として生まれ変わった朝春の年齢を25ほどだと仮定すると、約五回しか間違えられない。これではホラーサスペンスとしてはつまらないし分かりにくい。
回数制限を設けるのだとしたら、5回間違えたらゲームオーバーで朝春も妹も死にます、とした方が緊張感もでるし分かりやすくていいと思う。
加えて朝春に与えられたスキルだが、選択肢が多すぎたことに違和感を感じた。
あとはただ単純に展開が雑で物語に入り込めなかった。
無駄のように思えて無駄ではない日常会話の仕方をもっと学んだ方がいいのかもしれない……。
どちらも「マンガup!」に連載中です。