第21回 「聖女のはずが、どうやら乗っ取られました」
「聖女のはずが、どうやら乗っ取られました」
原作:吉高花 漫画:じさま キャラクター原案:稿
ストーリー展開:★★★✩✩ キャラクターの個性:★★✩✩✩
家で乙女ゲームをしていた主人公の携帯画面に突然映し出された
「助けてくれませんか?」の文字。
驚くのも束の間、目の前が激しい光に包まれたかと思うと、そこは先程までプレイしていたゲームの世界で、主人公は重要キャラである「先読みの聖女」として召喚されていた。
しかし共に召喚された人物により「先読みの聖女」の座を奪われ、国境付近へと連れて行かれた主人公はそこでひっそりと生きていくことを決意するが、ゲームのシナリオ通りに行くとこの地は崩壊することに気づく。
この世界で生き延びるため、シナリオを変えることを決意する。
マンガup!のオリジナル作品はほぼ、小説が原作でそれをコミカライズしているために、そもそも漫画としてストーリーが作られておらず、また一人称で進んでいく物語を漫画にした場合、主人公以外にもキャラクターがいるはずなのにまるでそれが存在していないみたいに影・個性が薄くなる。
この作品も同様、主人公以外のキャラの魅力があまり発揮されていない。
その原因として、まずキャラ同士の会話が少なく、テンプレ感があった。
線の部分が全然足りない。会話が足りない。
そしてこのあるある設定だが、突然現れたヒメというキャラと主人公との関係性がプロローグみたいただの説明で終わっているからそいつがどれだけやばいやつなのか理解しにくい。そのためこのキャラの普段のシーンを見せる部分が必要だと思う。そして主人公との因縁関係をより深いものにすれば、もっと面白くなる。
物語が、ヒメと主人公とのバトル、どちらがこの国を救えるのかとか、聖女ポジを奪還するんだとかという分かりやすい目的ができる。こっちのが私は面白いと思う。
小説ではそのようになっているのかもしれないが、コミックでは伝わらなかった。
今度小説も買ってみようと思う。