第15回 「傷だらけのピアノソナタ」
「傷だらけのピアノソナタ」斎藤けいご(漢字読めなかった…)
ストーリー展開、作画、コマ割り、ここら辺は流石ジャンプ+クオリティかなという感じであった。展開が急ぎすぎていない。作画は作者自身のものになっている。コマ割りも個性があり、背景も怠っていないため、漫画というものを楽しめることができた。
しかしところどころ絵がぎゅうぎゅうになっているところがあるため、もう少し大きくコマを使ってもいいのではないかと思う。
主人公2の過去に触れるのが早かった気もしたが、主人公1の抱える心のとっかかりを無くし、ヒナ(主人公2)とピアノを弾く決意をするにあたってはここで触れるのが妥当ととはいえる。だけどやっぱりそこに至るまでが早すぎのような気がした。
主人公ルナが抱える問題の深さにもう少しだけ感情移入したかった。
そのためには、ヒナとのシーンの他にももっと「勝ちに拘るルナ」の姿を書いても良かったのかな。絶望の顔を書くとか。負けて逃げ出すだけでも十分ルナの精神の乱れはわかるけど、やっぱり読者側にとってはもう少し分かりやすく表現する部分がないとワッと圧倒されることができない。
人の細かい心情描写が軸のヒューマンストーリーなら細かい表情やセリフを使いわけて多少分かりずらくても、それがよりリアル感をますためいいと思う。
しかし、今回のような漫画での人物の挫折の場面や一歩成長するような場面では、成るべくわかりやすく表現したほうがいいと思う。
ルナの場合、試合で負けてからのシーンが弱かった。そこをもっとルナの心の深くまで触れられれば最後のヒナとのタイトル回収の場面が生きただろう。
ピアノ関連で「四月は君の嘘」でも読んでみるか。
まだ2話までだが、面白くなるだろうという予感がある。
しかしそれには、分かりやすく、そして感情移入できるストーリー展開が重要になってくる。
今後に期待したい。